ツヅキネーゼ Vol.24: 長友美由紀さん

自分らしいスタイルで横浜・都筑の生活を楽しむ素敵な女性~ツヅキネーゼ【vol.24 長友美由紀さん】
自分らしいスタイルで横浜・都筑の生活を楽しむ素敵な女性~ツヅキネーゼ【vol.24 長友美由紀さん】

早渕川近くの、周りは木々や畑に囲まれた場所にある、就労継続支援(B型)施設「都筑ハーベスト」ハーベストは、心の障がいをもっている方が、都筑区内の農園で野菜やハーブなどを育て、それらを販売したりする中で、体調を安定してもらったり、就労のステップになるなど、前向きに過ごしていくことを目的に活動している福祉施設です。
そこで、通所してくる利用者の方の思いを達成できるようサポートしていらっしゃる、ソーシャルワーカーの長友美由紀さん。
長友さんがハーベストに出会い就職し今に至るまで、そしてこれからの夢をうかがってきました。

●失敗が転機になった大学受験

名古屋市生まれの長友さんは、5歳の時、同じく愛知県内でも江南市という当時畑ばかりの田舎に引っ越しすることになります。
木に登って遊んだり、外で遊ぶことが大好きな子ども時代を、そこで過ごしたそうです。
「自然が大好きで、体に合っている」そんな風に感じていた少女に、中学生になったころ、おおきな経験がありました。たまたま図書館で手にした、ユニセフ親善大使としてアジアを訪れる黒柳徹子さんの本に書かれていた、「世界で5歳までに亡くなる確率が一番高いのは、アジアの子ども達である」という事実に、同じアジアで暮らす人間として、雷に打たれたような衝撃を受けたそうです。
『その子たちを助けたい!そのためにはユニセフで働きたい!』そんな思いを、心の底に強く持った長友さん。
でもその一方で、それは大きすぎる夢であり、親にもきっと反対されるだろうと現実と向きあうことになります。

高校時代はそんな自分の気持ちをまわりには隠しながら、それでも夢に近づけるよう、国際機関で働くためにまずは外国語がはなせるようにと外国語学部や、それとは別に、少し関心のあった心理系の学部を選び、臨んだ大学受験に失敗することになります。しかしこの失敗はご本人にとって「転機だった」。
どちらに進むのも納得・覚悟できずに、この道ではないんじゃないかと思いながら臨んだことにあらためて気づき、自分らしいスタイルで横浜・都筑の生活を楽しむ素敵な女性~ツヅキネーゼ【vol.24 長友美由紀さん】立ち止まってもう一度考える時間が与えられたことに、ほっとしたそうです。

予備校でのんびり過ごすなか、ユニセフで働く人を取り上げたテレビをみることがありました。国際機関で働くために必要と思っていた外国語は、ツールであって目的ではないということに気づかされ、自分が本当にやりたいことは、貧しい人や困っている人を助けたい。社会福祉がやりたいんだということを認識したということです。
それからは、勉強に身が入り福祉系の大学に見事合格し、入学。
前途洋々で明るく楽しい学生生活を送られたのかとおもいきや、自分の夢を理解してくれない親との葛藤など、夢と現実がかみあわないことに絶望感を感じ、大学に行けなくなった期間があったそうです。

●仲間の助けから気付かせてもらった大きな夢

でも、そんな長友さんには支えてくれる友人、「国際ボランティアサークル」の仲間たちがいました。
「落ち込んで家からも出られないような状態の私に、困った時は頼ればいいし、そのことに対して何かで返そうとか思わなくていいから、ありのままの長友でいいんだよ。と言葉と行動で教えてくれたのです。」そんなまわりの温かい支えと、国際ボランティアのメンバーのいろいろな生き方に、人生は一通りの生き方だけではないことを気づかせてもらったことで、気持ちも少しづつ明るくなっていき、やはり自分は困っている人を助けるということがやりたいんだ。との初心の気持ちを、あらためて心の底から再認識したとのことです。

長友さんが助けたいと思う「困っている人」というのは、例えば社会的に弱い立場の人が多数派の社会に無理に組み込まれたり、社会から排除されたりする少数派(マイノリティ)と呼ばれる人たちで、戦争で傷つく人々、人種問題、女性、障がい者、子どもなどいろいろな立場の人がいるけれど、「どんな人も自分らしく生きていけるような社会を、自分が作っていけたらいいな。」と、大きな夢へとさらに発展したそうです。

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そして、いざ就職先を探す時期になって、ご自身が落ち込んだ経験をしたことで、精神障がい者の方に共鳴したことや、また自分を知りたいと思ったことをきっかけに、マイノリティの人たちが自分らしく生きられるような社会づくりに、障がいの分野から携わっていこうとの思いから、精神障がいの方をサポートする場所で働くことに決められました。それからは、導かれるように大学の教授に福祉のメッカとして薦められた横浜にくることになり、大好きな畑をフィールドに仕事ができる「都筑ハーベスト」に出会って、現在で3年目になられるとのことです。

トンネルの先が見えないような苦しい時間もあって、つらい思いもいっぱい味わったことと思いますが、現在のご自身は「自分らしく生きています」と堂々と語ってくれた長友さん。自分の夢を捨てず、あきらめないで得られた今の長友さんのお姿に、寒い冬を雪の中で耐えて、春風が吹くころに芽を出すふきのとうのように、凛としたものを感じました。

●長友さんの未来予想図

長友さんのこの先の未来予想図は、どんなものなのでしょう。
「今働いているハーベストで地域というものを大事にするということを学ばせてもらっています。ハーベストで、本当に地域で活動されている生き生きした方に出会えたことは、私の財産です。そして、やりがいのある仕事をさせていただいてます。
この経験をいつか、東南アジアのどこかの畑をツールにして、性別や人種、どんなふうに生きたいかなどに関係なく、どんな人でも受け入れる居場所を作るのが、将来の夢です。」

自分らしいスタイルで横浜・都筑の生活を楽しむ素敵な女性~ツヅキネーゼ【vol.24 長友美由紀さん】いつの日か、東南アジアの畑の真ん中で、明るい笑顔で多くの人に囲まれて、たのしく畑仕事をしている。その通りの夢では決してなかったとしても、いつも困っている人のことを考え、その方たちに寄り添って歩んでいっていらっしゃる、、将来の長友さんの姿が目に浮かんでくるようです。

長友さんのような志のある方がいることで、どんな人も「自分らしく生きていける社会」に近づいていける、、そんな風に心から思えた今回のツヅキネーゼでした。

都筑ハーベストのHPはこちらから
http://www.tuduki.jp/nc/index.php?action=pages_view_main&page_id=21

●長友さんおすすめスポット

発酵カフェ ハタケト★発酵カフェ ハタケト

「ハーベストの野菜を買ってくれているお店なんですよ」

>>発酵カフェ ハタケトの紹介ページはコチラ

ハーベストの南畑

★ハーベストの南畑

「手前味噌ではありますが、畑の風景、お勧めです!」

>>ハーベストの南畑の紹介ページはコチラ

記載内容について

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