11月5日福島のイマを知ろう！横浜から応援しよう！開催

フォーラム “福島のイマを知ろう、横浜から応援しよう！”
～「新しい東北」官民連携推進協議会連携支援制度の対象事業～

震災から６年以上がたち、横浜という離れたところにいる私たちは、現在の東北のことがよくわからない状態です。とくに福島に関するニュースは暗いものが多く、旅行にいくことをためらってしまうような現況があると思います。しかし、実際に現地を訪れた人達から、福島をもっと応援すべき、おいしくてこだわりの安全な食品がたくさんある、という話を当団体の利用者でもあるNPO法人結ぶの方たちに聞き、今回の会を開くことになりました。NPO法人結ぶの方たちは、何度も福島を訪れ、応援しているお話を聞き、もっと多くの横浜の人達に現地の方の生の声で語ってもらい、福島への関心や、買い物や、福島の応援できないかと考え、福島をとことん知るフォーラムを開催しました。

日時：2017年11月５日（日）12時〜18時
場所：シェアリーカフェ
第一部　12時〜14時
講師：菊池将兵氏
福島県相馬市、大野村農園代表、ふくしま食育実践サポーター

講師：菊池基文氏
漁師、相馬双葉漁業協同組合青壮年部所属、そうま食べる通信　編集長

参加者：48名

第二部　16時〜18時
講師：管野貴拓
相馬市松川浦観光協会事務局長　松川浦旅館組合事務局長
松川浦観光協会事務局長　松川浦ガイドの会代表

参加者：30名

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（開催報告）
「福島のイマを知ろう！横浜から応援しよう」というタイトル通り、福島の復興に奮闘する若手リーダーの3人を横浜に迎え、お話を聞きながら、福島の物産を楽しむ会です。

シェアリーカフェは、NPO法人I Loveつづきが運営する、コミュニティカフェです。シェアリーカフェは2013年に開店して以来、地域の方たちと多様なイベントや講座を行ってきました。その中で、石巻や女川などとつながり、いままでにも、石巻の高校生写真家の「ツタエル」の写真展や石巻マルシェの物産販売などを行ってきました。しかし、福島とのつながりはありませんでした。今回初めて、震災後復興支援をしている横浜の「NPO法人結ぶ」に協力してもらいながら、福島の方をお招きしました。

第一部は「福島の農業と漁業のイマ」について、お二人にお話を聞きました。

福島県相馬市大野村農園代表の菊地将兵さんは、農業とともに、こだわりのえさと放し飼いで自由に育てる贅沢な方法で、手間をかけて「ミルキーエッグ」と言う、ニワトリの卵を育てて販売しています。将兵さんは漫画の勉強をしていたこともあり、かわいい卵のパッケージもデザインも将兵さんが書いたものです。都会で仕事をしたあと、地元で農業をはじめようと勉強し、さあスタートしようと思ったとき、震災が起きました。それでもやはり農業をやりたい気持ちが強く、震災後に福島で新しくはじめる、という困難を乗り越えてきました。震災前から農業していた人は、差額分の補助金がでるのに、震災後では差額がないので将兵さんには、補助はないそうです。

話を聞きながら、ミルキーエッグのたまごかけご飯を食べました。たまごは色もきれいで甘みがあり、参加者の中から「おいしい～」と声があがりました。ミルキーエッグは売上の１部を、国内の母子家庭、父子家庭、施設などの子どもたちが中心の所へ食品に換えて寄付しています。将兵さん自身が母子家庭であったことで、多くの人に助けられて育ってきた経験から、少しでも人の役に立ちたいと実行しています。自分自身の福島での生活も大変なのに、そのようなことを考えて実行していることに本当に感動しました。

次に漁業について、漁師で、相馬双葉漁業協同組合青壮年部所属、「そうま食べる通信」編集長の菊地基文さんにお話を伺いました。2人は同じ名字なのですが、とくに兄妹や親戚ではありません。お父様のあとを継ぎ、漁師になったお兄さんが事故で亡くなり、やっとの思いで漁師になった基文さんを襲った震災。今は、週２回の数時間、決められた日程に試験操業をしているという現状で、本格操業したくてもできないジレンマがあるそう。そんな中、なにもしないのはと思い「そうま食べる通信」を仲間とともに発行し、復興を発信し続けることを決めました。

そうま食べる通信
http://taberu.me/soma/

そうま食べる通信は、生産者の想いを特集した記事と生産者からの食べ物がついてくる通信です。この通信の写真は基文さんが撮っている、と聞いてびっくりしました。どの写真も臨場感があり、人の表情もよく、すばらしいです。全国にその土地の名前のついた「食べる通信」は多々あるのですが、企画、編集、記事執筆、写真、デザインまで全部自分達でやっているところは、そうま食べる通信だけだそうです。

今回の参加者の中には、そうま食べる通信をすでにとっていて、生産者にあいたくて参加したという人も多かったです。みなさんお話の終了後も熱心に2人の菊地さんと名刺交換したり、お話したりして、交流を深めていました。

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第二部にお話をしてくださったのは、相馬市松川浦観光協会事務局長でホテルみなとやの専務、管野貴拓さんです。松川浦旅館組合事務局長、松川浦ガイドの会代表などもつとめています。

松川浦は震災前、観光で訪れる人でにぎわっていましたが、東日本大震災で大きく変わってしまいました。地元を離れたことのない管野さんは、たいへんショックを受けたのですが、現在は、環境省のグリーン復興プロジェクトの支援を受け、復興エコツーリズムとして、ここでしかできない魅力あるツアーを企画しています。イケメン漁師との一泊二日ツアーや、松川浦湾内の被災状況を見学し、ナイトフィッシュキャッチという夜のプログラムや地元の人との交流会などをおこなったり、旅館の板町が教えるホッキづくし料理体験などの、エコツアーを企画し、好評でした。

また「馬鹿うまめし」という魚介をつかったごはんにもあう、お酒のつまみにもなる、瓶詰めの商品開発も行っています。この日、参加者は、菊地さんの試験操業で捕った新鮮なお魚のおさしみに加えて、馬鹿うまめしを実際に試食しながら、福島のお酒も楽しみました。沖なまこのしょうゆ漬け、潮目イナダのトロ味噌和え、まる蟹の蟹味噌、烏崎アヒージョなどは、どれもいままでに食べたことのない新鮮な味で、本当においしかったです。これを機に「そうま食べる通信」に申し込みをした方もいました。

今回、若手リーダーの奮闘ぶりを生で聞くことができ、その活躍ぶりを知ることができました。「福島のイマを知ろう！横浜から応援しよう！！」というタイトル通り、これをきっかけに、さらに横浜から応援していけることを考え、横浜から福島へのツアーを計画しよう、物産展の定期開催などもしたい、など参加者の中でもりあがりました。

多くの方に知ってもらいたいと物販も行いました。