皆さんは「消費生活アドバイザー」という名前を聞いたことがありますか? 経済産業省認定の公的資格です。
HP(http://www.nissankyo.or.jp/adviser.html)によると「消費者の意向を、企業経営や行政等への提言に反映させるとともに、消費者からの苦情相談等に対して迅速かつ適切なアドバイスができる人材」とあります。同協会が実施する試験に合格し、「一定の要件を満たすと、消費生活アドバイザーの称号が付与される」のだとか。
今回のツヅキネーゼ、岡本悠紀さんは、「やりたい!」という強い気持ちから、消費生活アドバイザーと宅地建物取引主任者の資格を取得し、現在はNPO法人 I Love つづきの会員として、地域活動に積極的に参加されている、地域愛溢れる女性です。
●消費生活アドバイザーとして
「消費生活アドバイザー」の仕事は、消費者と企業のパイプ役です。消費者である生活者の目線で、暮らしに必要なことや人々が求めている事を吸い上げ、それを企業に提案して形にしていきます。
「この資格を取れば、女性ならではの感性を生かすことができる!」 「人と違った何かをしたい!人が気づく前に気づきたい!」
そう思った岡本さんは、大学卒業後メーカーに入社、2年目に、消費生活アドバイザーの資格を取りました。お客さまの求めていることに敏感になり、自分の中で形にして、上司に提案していきます。自分のアイデアが次々と採用され、実際に商品やサービスになる過程に携われて、とても嬉しかったそうです。
●女性ならではの悩みを乗り越え、資格を活かした仕事に没頭
しかし、女性なら誰もが一度は悩むのが、結婚と仕事の選択。そして子どもを妊娠し出産した後、仕事への復帰はどうするか?という問題です。
岡本さんの場合もしかり。夫婦で同じ会社で働き続けるのは・・・というご主人との話し合いの末、結婚退職。しかし、退職後も仕事に対する情熱は冷めず、「仕事選びや生活スタイルを変えるには、女性は男性以上に精神的に強くならなければいけない」としみじみと思ったそうです。
「どんな事態になっても、いつどこに夫が転勤になっても、その場で自分がやりたいことをできるような人になりたい」。
そう考えた岡本さんは、消費生活アドバイザーの母親たちからなる研究会「子育てグッズ&ライフ研究会」と出会い、消費生活アドバイザーの資格を生かしながら、子どもと一緒の生活の中で感じる問題点や提案を話し合ったり実験したり、勉強したりという活動を続けていきました。行政やテレビ局から出演の依頼がきて、どんどんと仕事につながっていったのだとか。その後、マーケティング会社での経験もあり、いろいろな企業からお話をいただいて、本や雑誌にコラムを書いたり、テレビやラジオの出演をしたり。調査や分析のお仕事もこなしました。睡眠時間は2~3時間という日も少なくありませんでした。
「自分自身が作家やクリエイターでなくても、モノづくりに関われる」。 そんなところが新鮮で、生活者の目線がぶれなければ、仕事の幅が広がっていくところもワクワクしたそうです。
●地域に密着した仕事との出会い
消費生活アドバイザーとしてもらってきたお仕事は、主に東京と横浜が活動の中心でした。在宅でできる仕事もありましたが、東京に出向くことも多く、3人の子どもの預け先がバラバラだったことや地域での活動と東京への通勤の往復で疲れ果てたことも。
「通勤時間がもったいない。生活も仕事も同じ地域できれば、面白さがアップするのではないか」と思っていたそんな矢先、NPO法人I Loveつづきが提案する「テレワークを使った“新しい働き方”シンポジウム」に参加する機会があったのです。
このシンポジウムで、地域で生活する人が“テレワーク”という働き方で、仕事ができることを知りました。岡本さんが、まさに望んでいた働き方でした。
すぐにI Love つづきに入会すると、テレワーカーに登録するとともに、テレワークのほかにもさまざまな活動をしている同NPOの、地域活動にも積極的に関わりました。家族にも呼びかけて、地域のイベントには、一家5人で参加するようになりました。
●興味のあることは、何でも積極的に
好奇心が旺盛で、自分の興味のあることには何にでも果敢に挑戦する岡本さんは、このほかにも、どんどんと活動の範囲を広げていきました。
子どもが無認可の保育園に通っていた時期には、その保育方針に賛同して、行事のお手伝いや運営に参加。子どもの成長とともに、自分自身の成長をも感じた10年間だったそうです。
また、地域で活動するうちに、緑が多く、住みやすい都筑区が大好きになりました。自称“住まいオタク”というほどの不動産好きで、マイホームを購入するにあたり、横浜北部の物件を200軒以上も見て回ったこともあるとか。2つと同じものがない点や、どんな物件にも良さがある点などが、“人”と似ている気がして大好きなのだとか。不動産業界は、地域に密着した仕事ということでとくに魅力を感じ、その後、宅地建物取引主任者の資格を取得すると、不動産会社で仕事を始めました。
●新たな挑戦、将来の夢
現在は、3人の子どもたちも小・中学生になり、「この時期だからこそ、子どもと一緒にやりたいことがたくさんある」と思い立ち、不動産会社は退職、主に地域の活動に参加しています。
週末、イベントがない時には、都筑区内で借りている畑で野菜作り。「田舎育ちで土や緑が大好き」と言うように、子どもたちと一緒に季節を感じ、旬を味わうという素敵な時間のために、畑仕事もこなしています。
それでも「毎日、日暮れまで外で遊びまわる子どもたちを遠くから見守る時間がもっと欲しい」とか。岡本さんが過ごす日々は楽しいことであふれています。
このように日々充実して過ごしている岡本さんのキーワードは、「今できることを工夫しよう!」。今、足りないことを嘆くのではなく、できることを探り、それをできる範囲でやっていこうという、超ポジティブな考え方が、岡本さんを輝かせています。
2013年の春は、子ども会の役員を引き受けたそうです。
「これを機にもっと地域活動に参加して、地域の方々や子どもたちと関わり、山のようにあるやりたいことを順番に形にしていきたいですね」。
岡本さんの新たな挑戦が始まりました。
「子どもの手が離れたら、地域活動で培ったたくさんの経験を生かして、また、住まい関係の仕事につき、ゆくゆくは“ちょっとおせっかいで元気なおばあちゃん”になりたい」と笑う岡本さん。「消費者の想いにしっかりと耳を傾けて、それにピッタリの住まいや地域を提案し、地域の楽しいことも合わせてお伝えする、それが夢です。」とも。これぞ、まさしく、消費生活アドバイザー&宅地建物取引主任者のなせる技、です。
一つひとつ夢をかなえてきた、その“ぶれない視線”は、遥か先の未来の姿まで確実にとらえているようです。
●岡本さんおすすめのお店
★南フランス料理 レストラン・ガレット
>>南フランス料理 レストラン・ガレットの紹介ページはコチラ
★ワールドフラワー すみれが丘店